ジャパンアウトドアリーダーズアワード|Japan Outdoor leaders Award

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トヨタ白川郷自然學校 學校長 山田俊行さん
  • OUTDOOR LEADERS CLUB
  • 自然豊かな白川村だからこそできるアウトドアを通した一流の教育と一流の感動を!
  • 世界遺産で知られる「白川郷」を拠点とし、雄大な自然の中に広がるトヨタ白川郷自然學校。學校長の山田俊行さんが実際に実践している、アウトドアフィールドでの活動内容や、トヨタ白川郷自然學校の活動方針などについて伺いました。

OUTDOOR LEADERS CLUB

白川郷の自然の魅力

現在、私が働いているトヨタ白川郷自然學校のある白川郷の特徴をひと言でいうと、他の地域と比べて自然の濃さが違うということです。様々な植物や動物が広範囲に生息していますし、中でも樹齢数百年の白山のブナの原生林は特に素晴らしいですね。その他にも、世界遺産の合掌造りの集落もあります。そして、人が住んでいる地域では、世界でも類をみないほどの積雪が多い場所で、その中でも自然學校のある地域には毎年3~4mの雪が積もります。冬は除雪が大変で憂鬱になるときもありますが、春になるとあんなに積もっていた雪が溶けて花が咲くと本当に心が弾みます。そして、あっという間に夏が訪れ、7月下旬の今は、すでに秋の気配を感じるほどです。
秋になるとすぐに冬の準備に取り掛かるというのが白川郷の四季の移り変わりです。昨年は特に積雪量が多く、白山に向かう県道の斜面が崩壊する恐れがあるために現在でも通行止めになっています。そのため、白水湖で開催予定だった湖上クルーズや、ブナの森でのキャンプはできなくなってしまいました。そのような時に、私たちは厳しい自然環境で生活しているのだと、実感させられます。

「2015年4月に學校長に就任しました」

今の仕事に就く前は、山と人々の暮らしを結びつけるような仕事がしたかったので、家具職人をしていました。
2001年の自然學校立ち上げ当初からプログラムの企画をするなどこの仕事に携わり、今年の4月に學校長になりました。
それまでは、お客様をフィールドにご案内していましたが、今では學校長としての仕事が中心になっています。スタッフが活動しやすいような環境づくりをするなど、バックアップをするのが私の役目ですね。

「スタッフ自身にもライフスタイルを楽しんでほしいです」

お客様に楽しんでもらうためにも、スタッフ自身も自然の中で遊んで楽しむライフスタイルに親しんでもらいたいと思っています。日常的に自然の中で遊んでいないと面白いプログラムの提案もできないと思うのです。ですから、私自身も休日には息子とこの敷地内の川で遊んだり、イワナを捕ったりなどして楽しんでいます。自然と触れ合うことで、同時に楽しさや厳しさなどが学べること思うので、スタッフだけでなく、多くの方々にアウトドアを満喫してもらいたいですね。

「日常生活をリフレッシュするためにも自然は必要」

日々の疲れた生活を元に戻すのに自然の力は必要だと思います。ですから、意識的に自然を生活の中に取り入れるようにした方がいいですね。街中を歩くよりは森や山の中を歩く方が、活力や元気が出てくるはずです。自然の中で歩くことが難しい方は、日光を浴びて歩くだけでも違いますよ。大人が元気でないと、子どもも元気にならないですからね。最近では、子どもが火やナイフを使うことは危ないので使わせないという保護者の方がいらっしゃいますが、それでは子どもたちの直接体験の機会が減ってしまうと思います。ただその一方で、意識の高い保護者の方は、ナイフワークはもちろん、山に登る、川で遊ぶ、海で泳ぐ…ということを昔の方以上に体験させているようです。また、自然体験をさせない保護者の方は、興味がないというよりも、そのような体験に教育的価値があることを知らないんでしょうね。そこで体験の格差が生まれているようです。休日に家族でアウトドアをするような文化が、この白川郷を中心に広がればいいな、とは思っているんですけどね。
また、日常生活のさまざまな変化に対応できる人間になれるのは、自然の中でアクティビティを体験した人なのではないかと思っています。自然の厳しさなどを実体験した人は、自分の芯がある人間になるだけでなく、さまざまな場面で耐えられる人間になれるのではないかと思っています。

「開校して10年。
白川村とのいい関係を築いています」

自然學校の敷地は約52万坪もあります。
しかし、プログラムを実施するのにこの敷地内にこだわることなく、白川村の大自然の中で楽しむ・遊ぶ・成長するプログラムを考えようということになり、 2011年からロングトレイル用の新しい道造りを白川村と共同で取り組んでいます。2013年には任意団体として「白山白川郷トレイルクラブ」を立ち上げ、白川村から予算もいただいて運営していくようになりました。これは、村とのいい関係を築いてきた結果であり、自分たちが地域のためにやるべきことは何かということを明確にできたことも大きいと思っています。私たちは自然体験やアウトドアを楽しむお客様を増やすこと、それが何よりも村のためになると考えています。

「今後を担うリーダーへ期待することは…」

アウトドア体験は、人間が育つ上で重要な要素だと思っています。「大人はトレイルを歩こう。子どもは森でたくましくなろう。」というのが自然學校のキャッチフレーズなのですが、自然体験は、子どもは「たくましくなるきっかけ」、大人は「活力を得るためのきっかけ」になっているはずです。そして、自然体験はそれらを実現するためのなくてはならない場であるだけでなく、国づくりのための礎だと私は思っています。それくらい重要なことを私たちは担っているという使命感をもっている人は素晴らしい指導者・リーダーになれると思います。

トヨタ白川郷自然學校のフィールドワーク

ビギナーから上級者まで、子どもから大人まで、季節を問わず、幅広く白川郷の自然を体感できるプログラムが満載です。

01. トヨタ白川郷自然學校のエントランス 02. 2泊3日の「子どもキャンプ」の様子。子どもたちで焚き火料理を作る 03 . 「昆虫採集工房」では、洗濯ネットを使い虫捕り網作りに挑戦! 04. 子どもキャンプでは、飯ごうでご飯を炊いたり、ドライカレー作りにチャレンジ 05. ビギナー向けのプログラム「山歩きカフェ」。合掌集落を望む、前山の山道を歩く約3時間のコース 06. 自然學校の敷地に立つ、ぶなの木

MOVIE

インタビュー動画
フィールドワーク動画
PROFILE
鹿児島県出身。学生時代は教育心理学を専攻。
1997年4月より高山市清見町「森林たくみ塾」に入塾。森と暮らしをつなぐ「モノづくり環境教育」を担当。
2001年トヨタ白川郷自然學校現地検討会に参加。
2004年10月NPO法人白川郷自然共生フォーラム理事就任。同時にトヨタ白川郷自然學校環境教育事業部マネージャーに就任。
2011年7月~2013年6月、長野県小諸市にある安藤百福記念自然体験活動指導者養成センター事務局長。
2015年4月よりトヨタ白川郷自然學校學校長に就任。
山田俊行
FAVORITE
後輩からプレゼントされた剪定バサミ。
グリップ部分にノコギリなど7種類の機能がついた優れもの。今でも敷地内を巡回中に危ない枝を切るときなどに使用している。
剪定バサミ
ACCESS
トヨタ白川郷自然學校
住所  岐阜県大野郡白川村馬狩223
TEL  05769-6-1187
公式HP https://toyota.eco-inst.jp
[車の場合] 東海北陸自動車道白川郷ICより10分
[電車の場合] JR高山駅より白川郷バス停まで濃飛バスで50分(送迎あり・要予約)
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