「島人から自然と共生し 生きる力を学ぶ」

 

「都会ではあまり意識しないけど、島では五感をフルに使い自然を意識しないと、うまく暮らしていけないんです。」島に移住した友人が私に話してくれた言葉です。

与論島は鹿児島県最南端にある周囲23キロの小さな島です。主に夏場をメインに、百合ケ浜観光とマリンスポーツも有名ですが、陸域にも沢山の魅力があります。島民は1960 年代頃まで自分たちの衣食住を自給自足する暮らしを行っていて、その知恵が生活の中に根付いています。

2017年3 月与論島を含む奄美群島は希少な動植物や生態系等の自然環境だけではなく、自然と共生してきた暮らしと伝統文化を保護する日本初の国立公園として指定を受けました。

島の先輩方達は自然を利用して遊ぶ、暮らしに活かす知恵を沢山持っている先生です。聞き取りを行いながら、観光PR動画や書籍の制作に関わり、島全体をフィールドにした「初めて島を訪れた観光客が、何年もその島に住んだように感じられる」エコツアーガイドを行っています。

また島外のNPO法人と農家さんと連携し、冬場を利用して9泊10日の援農ボランティアの受け入れも行っています。これらのプログラムをキッカケに何度も島に通い、最終的に島に移住する方もいます。今後は更なる交流人口拡大を目標に、都会の若者を対象に島に長期滞在しながら生きる力を学ぶプログラムとその受け皿づくりの準備を進めています。

 

-profile-

佐藤 伸幸　SATO NOBUYUKI

ヨロン島エコツアーガイド連絡協議会、与論島観光エコツアーガイド 代表

宮城県生まれ。大学にて異文化コミュニケーションを学ぶ。5年間の中国留学、8年間の社会人経験を経て、2016年4月地域おこし協力隊として与論島に家族で移住。島の薬草を研究する山悦子さんと出会い、書籍「与論島の山さん」の制作に関わる。現在はエコツアーガイドの傍ら、島の薬草を軸にしたカフェ「薬草カフェピクニック」と宿泊施設「百合ケ浜ビーチハウス」を夫婦で運営しています。