真野 博
「自分で“とって、たべて”実感する自然の大切さ」
川で美化活動(リバーコーミング)、ネイチャーウォッチング、食育活動を行う「高麗川かわガール」を2013 年に城西大学で発足させました。現在では、近隣の方々も活動に加わっています。
学生たちは、「環境教育と食育」を実践しながら「社会人基礎力(アクション・シンキング・チームワーク)」を身につけていきます。所属する多くの大学院生は管理栄養士であることから、アユなどの魚介類に着目し、埼玉県ときがわ町と連携し魚食推進プロジェクトにまで発展させています。
高麗川かわガールのネイチャーウォッチングは、哺乳類、鳥類、魚類、両生類、昆虫類の生物調査に発展しました。希少生物の分布や外来生物の生態を調べ、論文発表するとともに希少生物の保護活動も行っています。高麗川かわガールでの取組は、荒川流域ネットワーク、ホトケドジョウ調査会、高麗川伝統鮎投網漁保存会、飯能エコツアーなどの活動に繋がっています。
アユ地引網体験やエコツアー(リバーウォーキング)を通じて、自然の素晴らしさ、川や水の重要性を実感してくれる人を増やしていきたいと思っています。最近では卒業生が、自分の子どもを連れて、川のイベントに参加することもあり、好循環を実感しています。それが「安全で楽しい体験ができる川」、「人間の暮らしと自然が調和した川」を増やしてくれると確信しています。
-profile-
真野 博 MANO HIROSHI
城西大学 教授、高麗川かわガール 代表
新潟生まれ。高校生時代は登山部に所属。東京農業大学で学び、博士(農芸化学)を取得。現在は城西大学薬学部医療栄養学科で生物学、食品化学、食品機能学等を担当。高麗川かわガールや高麗川伝統鮎投網漁保存会を主宰し、ホトケドジョウ調査会、荒川流域ネットワーク等の活動にも参加。学生達をまきこんで、食物連鎖、生物多様性をテーマに、川をフィールドとした環境教育と食育を実践中。