2025 年3月19日(水)東京都渋谷区にある国立オリンピック記念青少年総合センター国際交流棟で授賞式が行われました。受賞関係者やサポーターなど70名ほどが集まり、大いに語り合う会となりました。
野田和規さん|株式会社白老ネイチャーオフィス 代表取締役
嬉しいです、ありがとうございます。北海道の白老町から来まして、そこで自然教育とアウトドアのガイドの会社をやっています。法人設立したのが2ヶ月前です。 僕自身、出身が九州で、愛媛、東京へ行き、自然教育みたいなことに出会って、そこでの縁で北海道に5年前に移住しました。僕がアウトドアに出会って良かったことは、 単純に地域の高齢者の方を尊敬できるようになったことです。 僕が北海道に行った時、何のアウトドアスキルもなかったです。釣りや物を作ること、木を切ることなどは全部高齢者の方に教えていただきました。アウトドアとか自然というフィールドの中に行くと、 若者が何もできない状態になります。 僕はこの5年間で、おじいちゃん達と森作りをしていく中で、 純粋に尊敬できる人と会話を交わすことができる人が増えました。 それがアウトドアとか自然教育に出会って良かったと思うポイントです。会社を作るとなると地元に根差すことになるので、 いろいろな話をもらいます。できることはいっぱいありますが、人が全然いないです。 僕の同世代、北海道で数えるぐらいしか自然系の人はいないです。模索しながらやっていきたいと思っています。白老町、 ぜひ来ていただけると嬉しいです。ありがとうございました。
蟻正敏雅さん|一般社団法人と或る農園 代表理事、株式会社にまつわるエトセトラ 会長
岡山県の美作市にある棚田の集落からやって来ました。棚田くんこと永菅さんから推薦していただいて、棚田つながりで今ここに立っています。アウトドアや自然から何を学んだか、恩恵を受けたかと思ったら、 地元の文化とか歴史もそうですが、車が走れる道や国の助成金、インフラなどを自給自足を目指していた内心とは全然違うベクトルで尊敬できたり感謝できたりするものが多かったという自分でも意外な発見がありました。移住して自然に対して感動した、自分でお米を作ってそのお米を食べるとか、 漁師さんからもらったシカやイノシシの肉を食べる、自然の恵みに感動した部分とか、 全ての飲食は土からできているというそういう感動と共に、国って凄いというように。ここまで長い歴史をかけてできた仕組みは凄いという、その両方の軸を来た人に共有したいと思って今の活動をしています。とはいえ、その活動を始めた当初は自分の感動がモチベーションで続けられましたが、 孤独な時も多くて、何か伝えきれなかったとか、本当に伝わっているのかとか、本当に一人ぼっちでちょっと泣きそうな日も多くて、 都会に帰ろうかなと思う日も正直多かったんですけど、 本当にこの賞をいただいて、もう一回走り出せそうだなと涙が出そうです。 ありがとうございました。
井上桂さん|株式会社FEEL 代表取締役、エコピアの森下関・深坂 所長
私個人がこの賞をいただいている形になりますが、普段から支えてくださっている多くの関係者、それから弊社の35名のスタッフ達の総力で、この場に立たせていただいていると考えております。私自身が今なぜここにいるかというと、おそらく私の父と母の元に生まれたからだと思っています。両親が山で出会って結婚をして、山口県に住んでいながら、毎年夏休みは北アルプスに連れて行ってもらう、そういう幼少期を過ごしておりましたので、 身近なものに私は自然がありました。32歳まで会社に勤めておりまして、そこで今の会社を経営する下支えになるような様々な知識を学びました。自分がどういう生き方をしていきたいか考えていた時に、新潟県の専門学校が開校になり、そちらに進んだという経緯があります。幼少期からそういう環境があったから、今の私がありますし、幼少期から子ども達にそういう環境が必要だと考えています。下関市に戻った時に、今の私の仕事は皆無に近かったです。今いくつも仕事をさせていただいていますが、 私自身のゴールは、決して人づくりのゴールでもなく、地域づくりのゴールでもないと考えています。しっかりと組織も、そして地域も、世代交代していけるような、そういった組織づくりを、頑張っていきます。 本日は本当にありがとうございます。
妹尾 望さん|やんばる案内人Tida-Smile 代表、Wilderness Medical Associates Japan アンバサダー
沖縄本島北部のやんばるから来ています。私は沖縄のかりゆしウェアを着ていますが、やんばるの生き物達、ヤンバルクイナとかハブとかいっぱいの仲間を引き連れて来ています。今朝、雪でびっくりして、 自然ってすごいなと思いながら、この場に立たせていただいています。普段は主にアウトドアガイドとして、 観光客の方々にマングローブのカヤックツアーとか、森のトレッキングなどを案内しています。特に子ども達が自然にふれ合う入り口となるような、きっかけ作りとなるような場を提供したいという思いで、13年アウトドアガイドをやっています。最近は、もっと子ども達と関わりたいということで、仲間とキャンプをしていて、去年の夏は沖縄の子どもを長野に連れて行って、沖縄と長野の自然の違いを体験してもらうというようなプログラムを提供しています。アウトドアで活動する上では、安全というのはとても大切だと思っていますので、野外救急法の普及もしており、沖縄で講習会を開いています。この場に立っているのはとても光栄ですが、私よりもすごいアウトドア・リーダーがまだまだいっぱいいるので、そういう方々にもJOLAを勧めて、アウトドアの仲間を増やしていきたいと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。
谷 慶子さん|windsoil 代表、高田短期大学 非常勤講師
三重県の神山市から参りました。この度は素晴らしい賞を受賞いただきまして、本当にありがとうございます。 光を当てられることに慣れていなくて、嬉しい反面恐縮という気持ちです。私の周りには、三重の亀山で素晴らしい背中を見せていただいている地域の方々がいらっしゃって、その中で一員としてやらせていただいています。私の原点は幼少期にあります。全国各地から子どもが集まるようなキャンプに参加していました。小学校の時はちょっと内弁系でしたが、そのキャンプに何回も行くことによって鍛えられて、自分の土台ができました。学生を卒業して、プロの指導者養成をしている国際自然大学校の門を叩きまして6年間、そして千葉自然学校で14年間、合計20年間、自然の中での人づくりを鍛えていただきました。6年前、三重県の亀山市に主人の転勤で引っ越しまして、1人ぼっちになりました。仲間や同志もいない。涙を濡らすこともありましたが、気づけば、今日も三重から来られている才賀さんのような素晴らしい同志と仲間に会えて、windsoilという小さな団体を立ち上げて地域で頑張っています。三重県内、そして全国へ繋がるようなこのような同志の輪がどんどん広がっていくことを心から願っております。これからも応援よろしくお願いします。
松木 正さん|マザーアース・エデュケーション主宰
小学校の時にお絵かきコンテストで佳作を取って以来、賞をいただきました。40年ぐらいこんなことやっています。賞賛してもらい、頑張ったと言われているみたいで、嬉しいものだと感じながら皆さんの前に立っています。アウトドアのことにずっと関わってきましたが、ビジョンを持ってやってきた覚えがありません。気がついたら何かやってくれという人がいて、一生懸命やります。プログラムを作っています。そうするとそこに参加した人やそれを感じた人が、こんな価値ありますよとか言ってくださる。ある時は学校の現場にから声があり、半分以上は学級崩壊のところの立て直しでした。最近は松木さんのやっていることってアートですよと言われて、芸術関係のプログラムをやりだしました。いつも誰かが用意してくれて、それに応え、何かどっか合致します。そして作品作る、また次来るみたいな。何かこんなことの連続でした。そこに巻き込み事故みたいに人が巻き込まれていくわけですね。その時々に助けてくれる人がいて、それはスタッフや協力してくれる人、助言してくれる人、場を貸してくれる人、お金を工面してくれる人、そんな人に助けてもらいながらここまでやってきた気がします。本当にその全ての人にこの場を借りて感謝したいと思います。ありがとうございました。
米田 剛さん|森のようちえんキンダーガーデン 園長、NPO法人遊山のもり 理事
普段は鳥取県で森のようちえんを行っております。私達と過ごす1日1日が必ず子ども達の未来につながると 信じて、大切に子ども達と過ごしています。森のようちえんは全国にたくさんありますけれども、 国の制度上、運営は楽ではありませんので、運営を助けるために、そして働き方改革や人材不足を解消するために、保護者の皆さんと一緒にNPO法人遊山の森を作って、日々活動しています。普段は評価やこういった賞をもらうことからは無縁な人間ですので、 本当にいただいて心から素直に嬉しく思います。そして、僕が今日は代表でもらいますけれども、僕の仲間達がずっとやってきたことと仲間の頑張りが評価されたようで、本当に心から素直に嬉しく思っております。今日はこのような場所に呼んでいただいてありがとうございました。歴代のJOLAの方、そしてスポンサーの方、そして選考委員の方、皆さまのJOLAの一員になれたことをとても嬉しく思います。これからのこの国のために、そしてこの国を担っていく子ども達のために、皆さんとこの場でつながってJOLAの一員になれたことを誇りに思い、今日楽しく皆さんと過ごしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。本当に素敵な賞、ありがとうございました。
何が特別だったんでしょうかね。 ゆっくり聞きたいくらいです。
僕、良く言うんですけれども、算数の話ですよ。24/36≠2/3。ノットイコールですか?算数的にはイコールじゃないですか?何を言いたいかというと、分母の数なんです。母数。36と3、つまり36ぐらいのボリュームでいっぱい関わっている子。3しか関わっていない子。これでは歴然と違いが出てくるなと思っていて、どう言ったらいいかな。3ぐらいのボリュームで関わっていて、そのうちの1、つまり1/3ショックなことだったり、傷つくようなことがあったりしたらすごく傷つくのではないでしょうか?36ぐらいの体験を持っていて、12ぐらい傷ついても、傷つかないわけではないけど、全然強さが違うと思います。やはり、僕らキャンプでやってきたことは、たくさん濃厚に関わる。昔はおそらく我々アウトドアで、そして人と関わる遊びもすごく多かったから母数はものすごく多かったように思います。だけど、今の子どもだけじゃなくて、我々大人も含めて、そんなに人と濃厚にリアリティを持って感覚が伴うぐらい、これ大事だと思います。感覚が伴うって。それぐらい関わっているかって言ったら、そんなに関わっていない。その中で何かがあったら、ものすごく傷つく。傷つく話だけではないと思います。
だから自然の中で、人々が濃厚に関わるということがすごく大事だし、自然の体験はものすごくそれを濃厚にさせてくれるし、なおかつ自然は本来の命の本質に返してくれる力がある。何よりも力がある。要するに良く言うに、あるがままだったり、自分の感情だったり、言葉にならないようなものをポロッと言えたり、自然のものに投影しながらものを言えたり、何かそういうことを引き起こすだけの力が自然にはあります。
自然体験の中にもすごく大事さもあるし、力もあるし、そして自然の中でやっぱり人が関わり合って、濃厚に関わり合うということは、今はものすごく大事だと思ってまいす。特別賞をもらいましたので、特別こんなことを言いました。
あまり気が利いたことは言えませんけれども、何かそういうことを心の中に思いながら、濃厚に人が関わったり、濃厚に自然体験をしたり、自然に自分のいろんなものを投影しながら、いれるような活動をこれからもたくさん作品として作っていきたいなと、今心の中で思っております。本日はありがとうございました。
ありがとうございます。なかなか心が追いつかないです。
僕は鳥取県から来ました。昨日の夜、暴風雪警報が出て、今日、小学校、中学校、全校が休校になりました。飛行機は飛ばないんじゃないかなと思いながら、もし飛行機が飛ばなかったら……、ずっと夜、ベッドの中でスマホをいじりながら考えていました。普段、私寝る時、ものすごく早いんですよ。息子からも、父さん、肩つく前に寝ているよって言われるんですけど、僕の子守唄は、涙そうそうです。でも、イントロだけで歌詞聞いたことありませんでした。昨日は10回ぐらい、涙そうそうを聞きながらずっと考えて、眠れない夜を過ごしながら朝を迎えました。
今朝は、子ども達の送迎をするためにバスを運転してきました。バスの中で子ども達が、僕のことみんな「ごうべえ」と呼ぶんですけど、「ごうべえ、今日東京行くか。頑張って来いよ」保護者の方も、頑張ってきてくださいねって言ってくださって、空港に行ったんですけど、やっぱり嵐で遅延で大幅に遅れて、ギリギリやってきました。今まだ心が落ち着かない状態で、この賞、名前を呼んでいただいて本当に光栄に思います。
10年前、今からちょうど10年前に、息子が通っていた保育施設が閉園になることになりました。その園を引き継いで、私はある日突然、何の経験もないまま園長になりました。そして今から3年前に、子ども達の未来にとってもっとより良い環境を提供したい、作りたいと思って、園の横に広大な土地が空いたので、そこを買いたいと、横浜のデベロッパーのところに出向いて、その土地を買いに行きました。最初、門前払いでしたけれど、なんとか子ども達のためにこの場所が欲しいんだと、この価格しか出せないけどと言ったら、なんとか交渉に乗ってくださって、売ってくださいました。お金を借りる時に、銀行に何するんですかと言われたので、森を作ると言いました。最初は笑われましたけども、徐々に銀行の方も理解してくださって、今から3年前、園の横に大きな森を作って、今では森のようちえんを楽しく子ども達と過ごしています。
特にこの3年間、多くの方に出会って、たくさんのことを本気で学んできました。ですが、どこかこの経験の少なさからか、私は自分に自信を持てない日々を過ごしてきました。今から3年前にある方に言われた言葉があります。あなたたちがやっていることは、この国の幼児教育の最先端として必ず評価される時が来ると。自信が全くなかった私は、その言葉を信じたことは一度もありません。ですが、そうありたいとずっと思っていました。今日皆さんの力を借りて、あの時の言葉を信じることができます。
先ほど名前をスクリーンに映し出していただいて、私の心の中に一つの覚悟が芽生えました。私はこれより自然活動のプロとして歩んでまいります。このような場所を与えてくださったJOLAに関わる全ての皆さま、心より感謝申し上げます。そして、いつどんな時も共に歩んでくれる仲間と、私達を支え続けてくれる仲間達。そしていつも私達を信じて笑顔でいてくれる家族のように大切な保護者の皆さまと、大好きな子ども達、全ての方に心より感謝申し上げます。いただいたこの賞の価値を高めるために、これからも向上心と情熱を持って歩んでまいります。本日はどうもありがとうございました。
受賞者の皆さん、改めまして、本当におめでとうございます。
皆さん、今並んでいらっしゃいますけども、もっとたくさんの応募があって、エントリーシートを書くのは大変なんですよね。もう、あそこにたどり着くだけでも大変なのを、でも頑張っていただきました。今回は、私の視点にはなりますが、何をしているということよりも、どんな哲学を持っているのかとか、思想、哲学とか理念とかそういったところが光っている方が揃われたなって思っています。体験格差を解消することをやっておられたりとか、社会的な視点を持っておられたりする方が多くて、ソーシャル・アウトドアというメッセージにすごく相応しい方達が揃われたと思っています。これは記録を検証する賞ではなくて、光を当てることでよりみんなで強くなる。これは自分のためではなくて、広く社会のため、そして未来のためという、そういう思いを共有していく。そういう賞がJOLAだと思っています。
受賞された皆さんは、ますますこれからしっかりと影響力を持ちながら歩んでいただきたいと思っています。私実は初代、8年前の最初の受賞者の一人なんですね。今私もここに座りながら、8年間自分は何ができたかなって考えながら座っていました。一緒に受賞した人達から私も頑張ろう思わせてもらえる、そういう仲間です。これを支えていただいている運営委員の人達も、サポーターの企業の皆さんも含めて、今回受賞した皆さんも是非、仲間がたくさんいるっていうところで、それぞれ分野がちょっとずつ違っているところがもっとおもしろいと思いますが、1人じゃないということで進んでいければと思っています。本当にこの機会を実現してくださった全ての皆さんに、私からも感謝を申し上げたいと思います。おめでとうございます。そして皆さんありがとうございます。
改めまして、大賞、特別賞、受賞おめでとうございます。今回無事にこの表彰式を終えることができて、私はほっとしています。
今回受賞された方々に1つお願いがございます。ぜひこのJAPAN OUTDOOR LEADERS AWARDの受賞を名刺に一言入れていただきたい。それからSNS等でも発信していただきたい。それからJOLAのロゴをいろいろな印刷物に入れていただきたいと思います。そうやってリアルな受賞者からの発信を通してこのJOLAの認知度を上げていく、価値を上げていくということがとても大事だというふうに思っています。8回目を迎えることができているのも過去のファイナリストの皆さんからのご紹介が大きな力になっております。
さらにこのJOLAのファイナリストの方々とサポーター、スポンサーの方々、企業の方々とつながる試みもいろいろと動いております。企業からの協賛品を使った学生向けのイベントにファイナリストがゲストスピーカーとしてお話をするイベントを一緒に行う。いろいろな地域でガイドの案内、それもただの山の案内ではなくて、こういうソーシャル・アウトドア的な案内ができる人が欲しいというリクエストも来ることもございます。そういうことにも応えていただけるようになっていただけたらなというふうに思っています。
これからもJOLAを続けてまいります。引き続き皆さんのご協力をいただきたいと思っています。ソーシャル・アウトドアを一緒に進めていく仲間として、これからも力を合わせていただきたいと思います。本当に今日はおめでとうございます。これからもどうぞよろしくお願いします。