中山 千春
阿蘇の大地と共に、人が立ち上がる場を育む
「なぜ私は、自然と共にある場づくりにここまでこだわるのだろうか?」
“それは、心の葛藤を抱えたあの子と、森の中で何も語らず共に漂った時間があるから
それは、泥に触れられなかった子が田植えで土に触れ、泥のいもりを嬉しそうに受け取った、その一瞬が胸に刻まれているから
それは、苦しみや悲しみの中で立ち上がろうともがく親御さんの姿を、静かに見つめてきたから“

精神科作業療法士として15年、多くの心と向き合う中で、人が人を支えることの限界を感じました。言葉や制度だけでは届かないものがある。自然の中で心がほどけた自身の原体験が、その答えでした。
2018年に一般社団法人solを立ち上げ、熊本県高森町で地域の人々が守り続けてきた旧上色見小学校を拠点に、森のようちえんや障がい児支援、不登校支援・コミュニティ事業など、自然×人×地域・文化を大切にした場づくりを続けています。子どもだけでなく大人も、阿蘇の雄大な景色のもと、四季折々の営みの喜びに触れ、自分を感じながら仲間と時間を重ねています。
生きづらさを抱える人たちと、「共に支え合う関係」から、「世界の中で共に生きる関係」へ。地域の人々や多様な仲間とともに、違いが力として立ち上がる循環を、阿蘇の大地で未来へと手渡していきたいと願っています。

-profile-
中山 千春 Nakayama Chiharu
一般社団法人sol 代表理事、作業療法士
大分県日田市にて三世代同居のもと里山で育つ。福岡の大都会で作業療法士として奮闘する中、自身の子育ての苦労を通じ地域文化とコミュニティの大切さを実感し沖縄へ移住。日本でも文化の復興を願い九州へ戻り、わらべうた・発達支援講師や地域活動を重ねsolを設立。現在は熊本・阿蘇を拠点に、0歳から92歳までを対象としてインクルーシブ教育を軸とした支え合う場づくりを実践している。
