ジャパンアウトドアリーダーズアワード|Japan Outdoor leaders Award

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プロセスを楽しむということ。

プロセスを楽しむということ。

「自然体験活動」「キャンプ」「冒険の場」を創り考える時、いつも頭にあるのが「プロセスから学ぶ、プロセスを楽しむ」ということです。刻々と進む時間の中で、自身の内面で起こることや、人同士の間に起こる感情や考えなどのプロセスを大切にしながら、進めていくことが、一人一人の学びを豊かにしていくことを実感しています。

 

「じゃあそれらを踏まえて明日はどうしようか?」

 

小学生対象のキャンプで、こんなことがありました。ある日の午前中。雨脚が強くなり、雷の予報もあったので、「カヌー・カヤック」を「カレーライスづくり」に変えました。「カレーづくりを通してグループを創ることができるかなあ?今から3時間後に「カレーづくりは失敗でしたけど、僕たちのグループは前より進んだよ。」っていうグループがあれば、それはありだと思う。もちろんカレーもグループもいい感じもありだけどね。」と説明の後、調理開始。その後の子ども達の動き。どんなことを想像しますか?

とにかく話し合いが終わりませんでした。「役割を分担しちゃったら、グループの話し合いが少なくなっちゃう」とかアレコレ聞こえてくるんです。

どのグループも約1時間の話し合い(笑) あるグループの男の子は、さけびながら怒って出ていき、暫らくしてグループメンバー達も、その子を追って出て行く光景も。自分達で落とし所をつけて戻ってきたのは“いただきます”の5分前。「やっぱり、ぼくたちもカレー作りたいね」となりましたが、終了時間でした。私は、「すまんがタイムアップだなあ。みんなに分けて貰うとかしてね。そのかわりグループメンバーの関係は前進したんじゃない?」と聞きました。その時のグループメンバーの表情は、やわらかく満足そうでした。

そういう時のふり返りって、言葉も多く出るし、大笑い!ということが多いです。実際、その時も、「包丁の使い方がへたくそなのは認めるけど、もう少し挑戦させて欲しかった、止められてムカついた!」「助けてくれたのは嬉しかったけど、もう少しまかせてほしかった。」「見守ってくれて、嬉しかった。」などなど。話は尽きません。

私が話したのは「じゃあそれらを踏まえて明日はどうしようか?」だけです。

 

ワイワイガヤガヤとプロセスを思い起こし、話し合う時間。ディスカウントはなく、ユーモアに溢れる時間。まさに「プロセスに学び、プロセスを楽しむ時間」こういう時間を繰り返し創ることが、「未来につながる人づくり」につながると信じて、活動を続けたいなあと思う、今日このごろです。

 

-writer紹介-

山路歩 Ayumu Yamaji

JOLA運営委員/NPO法人体験学習研究会代表理事&プロデューサー

1977年生まれ。2005年より体験学習研究会での活動を開始。アドベンチャー教育や体験学習法を根っこにした教育キャンプのプロデュースを続けている。錐もみ式火起こしが趣味。空木やアジサイをみると目が輝く。

NPO法人体験学習研究会  http://www.csel.jp/