ジャパンアウトドアリーダーズアワード|Japan Outdoor leaders Award

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受賞者

吉元美穂

自然を活かして地域の課題に取り組む

モモンガくらぶは、北海道登別市に2002年に誕生した組織。3年間は任意団体で、2005年にNPO法人になった。吉元美穂さんは法人化以来の事務局長だ。モモンガくらぶの事業骨格はアウトドアである。ネイチャーセンターの指定管理を中心に、年間300本ほどの自然体験プログラムを企画する。散策型の自然ガイドから夏冬の登山をサポートする山岳ガイドまで、幅広いニーズに対応するとともに、森のようちえんや、多世代が自然を通じて交流し学びあう山の学校などを主催している。

吉元さんがスキーや沢登りなどのアウトドアを本格的に始めたのは、この仕事に就いてからだった。都会っ子でよそ者。そしてアウトドア入門者に近い視線、女性であることが、事業運営のなかで生きてきたのではないかと振り返る。

「登別の自然は、雄大な場所が多い北海道の中では地味かもしれませんが、やさしい自然なんですよ。自然体験の入門にはぴったりなんです。たとえば川。ゼロ歳児から水に親しめる安全な場所もあれば、ザイルワークで登る本格的な沢もあります。アクセスも便利で幌別駅から車で15分。この親しみやすい自然を、教育や子育て、雇用を含む地域づくりの資源として多角的に活用していくこと。それが私たちの取り組みです」

 

自然との共生を町づくりの骨格に

モモンガくらぶの大きな特色は、地域社会が持続していくためのキーワードとして、自然の価値を重視していることだ。定款の目的には、次のように書かれている。

<この法人は、自然体験活動を通じて人と人、人と自然のふれあいを促進し、子どもから大人まですべての人が、豊かな自然を五感で感じ、遊びの中で感動し、自然の大切さを学び、自然の価値と自然を大切にする心を育むことを通じ、豊かな人間性を創造し、自然と共生できる暮らしとまちづくりに寄与することを目的とする>

自然との共生をまちづくりに活かすとは、具体的にはどのようなことなのだろう。

「富岸子育てひろばは、厚生労働省の地域子育て支援事業の拠点のひとつになっています。こうした場は全国に7000か所ほどありますが、一般的には屋内型です。うちは外遊びを取り入れて支援をしたいと提案して採択され、現在で3期目です。小学生の放課後の居場所づくりや森の保育などの自主事業でも、子育て支援の取り組みに自然を活かしてきました。

活動を続けるうちに、地域の課題について幅広く対応できる組織として認知され、他の拠点での指定管理の話が出てきました。取り組みの広がりとともに雇用も少しずつ増えています。ボランティアが組織化して社会的課題に取り組む、アマからプロへの成長モデルができつつあるところです」

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野外教育指導者として幅広い現場を担当すると同時に、事務局長として、みんなが働きやすい、参加しやすい組織の基盤づくりと、活動を広げるためのアイデアづくりやシステム運用を担ってきた。ボランティアチームの独立化を促し、雇用に結ぶしくみもそのひとつ。同じ北海道内で自然体験活動をしているものの、横のつながりが薄かった若手メンバーの交流をプロデュースし、研修会に発展させたことも、地味ではあるが大きな功績だ。

 

インバウンドの受け入れも視野に

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経営コンサルタント会社に勤めていたこともあり、自分自身はマネジメント型の人間だと分析する。まだ着手はしていないものの、吉元さんの今後の視野には、高齢者支援のような福祉や、インバウンド対応もある。

「各地で外国人観光客をどう取り込むかということに話題が集中していますが、観光の本質とは地域の人たちの日常の充実にあるはずです。生き方に対するゆるぎない自信こそが、訪れた人にとっての魅力なのではないでしょうか。急ぐ必要はありません。自分たちらしい下地を作ることが先だと思います」

同じ業界、同じ世代には、夢かなわず辞めていく人もいる。自然体験の可能性を自分たちがもっともっと広げていくことで、多くの人が夢を実現できる社会を作りたいと語る。

取材・文/鹿熊 勤

-profile-

吉元 美穂 Miho Yoshimoto

NPO法人登別自然活動支援組織モモンガくらぶ 事務局長

東京都出身。大学時代、都市と農村の交流、環境教育などと出会う。会社勤務を経て、「自然」と「NPO」をキーワードに掲げて転職。NPO中間支援組織を経て、2005年より登別市ネイチャーセンタースタッフおよび現職。また、2010年より地域子育て支援拠点富岸子育てひろばセンター長も兼任。0歳児からののんびり体験活動から大人向けのワイルド野外活動まで担当すると共に、経理・総務の実務から企画立案・事業開発、組織の運営を担う。

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