ジャパンアウトドアリーダーズアワード|Japan Outdoor leaders Award

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受賞者


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西島大祐

日本のアウトドアをナショナルスタンダードに

日本の主要な山々をはじめ、マッターホルン、モンブラン、キナバルなど世界の名峰を踏破。多くのアウトドア関連団体で理事や委員も務める。44歳になった今でも「山中で24時間以上行動できる能力」を目標に、日ごろから体力トレーニングを欠かさず、健康管理にも人一倍気を配っている。

西島さんは、自他ともに認めるハード・フィジカル派のアウトドアマンだ。

であると同時に、学会活動を始め、さまざまな自然体験活動団体を通じてアウトドアの社会的意義、とくに教育面での効果と可能性を提言する研究者である。

「私が野外教育の研究と実践に取り組み始めたきっかけは、体育大学の在学中でした。陸上競技に励んでいたのですが、あるときから限界を感じはじめ、いわゆる燃え尽き症候群になってしまいました。陸上部を辞めたとき、たまたま出会った先輩の誘いで野外教育活動研究会というクラブに入りました。スキーができるぞという単純な理由でしたが、その後大学の野外実習や、旅行会社主催のキャンプなどでリーダー活動をするようになり、自然の持つ教育力にどんどん関心が深まってきました。

在学中でいちばん印象に残っているのは、世界的な冒険学校であるOBS(アウトワード・バウンド協会)との出会いです。大自然での活動を通じてチャレンジと自己発見をしていくという教育理念に惹かれ、60日間の冒険教育指導者養成コースに参加。このときの学びが、私の研究者人生のスタートになりました」

 

何ごとも一歩前へ踏み出してみないとわからない

教鞭を執る鎌倉女子大学では、授業や課外活動を通じて保育・教育の現場における野外活動や自然体験の重要性を伝えている。担当授業の受講者は毎年300人以上。卒業生の多くは、全国各地の保育園や幼稚園、学校に採用される。

「今の女子学生の多くは自然に深く触れあったことがありません。アウトドア体験も学校行事のそれかBBQくらい。私たちから見れば何も知らない、できないも同然です。彼女たちはそういう体験も幼児・初等教育の中でも重要だということが頭ではわかっているのです。でも、どうしていいかわからない。もどかしさを抱えています。現代ではどの教育関係の教科書にも自然に触れることの重要性が謳われています。ところが実際の教科教育では、野外体験はほとんど取り扱われません。その価値について十分な体系づけがなされていない。私はそこを変えたいと思っています。

私が日ごろから学生たちに言っているのは、なんでも体験してみないとわからないということ。今、自然に詳しくなくてもいい。でも、一歩前へ踏み出す勇気と好奇心が大切だよ、やってみようと。野外体験に限りません。ずっと苦手だったことを克服する努力をしてみる。あるいは、今まで通過するだけだった駅で降りてみるだけでもいい。すると、自分自身の中で何かが弾ける。新しい発見と変化があるはずです。大学にはボルダリング用のウォールがありますが、この目的もじつは挑戦です。やってみると、やらなかったときはわからなかった何かに気づく。チャレンジは学びと向上心の源泉です」

 

自然を活かした教育にはもっと伸びしろがある

その意味でも、保育士や教員を目指す若い女性の役割は大きいという。子供たちと同じ目線に立つことができるからだ。高度な野外活動スキルを持つスペシャリストの養成も必要。同時に社会のボリュームゾーンである自然体験の希薄な人たちの中に、センス・オブ・ワンダー的な感性を芽生えさせる人材の育成も社会の潜在的な要請だ。

「教育にはもっと伸びしろがあるはずです。このあたりも私の研究領域で、日々さまざまな可能性を考えています」

モットーは“よい指導者を育てる”。よい指導者とは、まずは自分が培ってきた技術・能力・経験・知識を理論と実践の中でしっかり吸収してくれる後継者。つまり民間の自然体験活動施設などから成長してきた若手スタッフだ。よい指導者にはもう1タイプがある。それが、自身が教えているような将来の幼児・初等教育を担う保育者や教員だ。すなわち、小さな驚きや発見を通じて自然を感性や哲学に結び付け、わかりやすく伝えられる解説者。

自然を基軸に置いた多様な価値観を持ち、変化に対する高いレジリエンス性を備えた人材を輩出していく。日本のアウトドアを文化にまで育て、ナショナルスタンダードに引き上げたいというのが西島さんの目標だ。

取材・文/鹿熊 勤

-profile-

西島 大祐 Daisuke Nishijima

鎌倉女子大学 准教授

NPO法人東京都キャンプ協会 理事

大学在学中に野外教育と出会い、キャンプやスキーの指導によって自身のキャリアを積む。OBSの冒険教育指導者養成コースへの参加をきっかけに野外教育の専門家の道へ。2006年から鎌倉女子大学で教鞭をとり野外教育の研究に勤しむ。OBSやWEAの理念・理論をもとにした野外教育指導ができ、特に山岳活動やスキーの指導には高いスキルを持つ。現職は鎌倉女子大学短期大学部准教授。

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