ジャパンアウトドアリーダーズアワード|Japan Outdoor leaders Award

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受賞者

岡本 麻友子

「地域の子どもは地域の私たちが育てる。その子どもたちには地域をよりよく変えるチェンジメーカーになってほしい」

私たち「森のようちえんウィズ・ナチュラ」の活動フィールドは閉鎖されていたキャンプ場を再生、地域の方が復活させた滝のある川辺の広場や耕作放棄地などを活用するなど地域で眠っていた様々な場所を保育資源としています。地域住民が孤立や分断を超えてつながり合いダイバーシティやインクルージョンに留意し、共に子どもを育て共にチャレンジを重ね共に自分を生きる、持続可能なコミュニティ創設のために私たちはがんばっています。

普通の園との違いは、大人が試行錯誤しつつ仲間と助け合いながら諦めないで進み続ける姿を子どもたちがみているところです。スタッフと共に保護者一人ひとりが園の運営を担い、子育てや子どもの成長の見守りを園任せにせず、質の高い保育を守るため立場や壁を越えて自分はどうしたいか、人としてどう在りたいかを問うことを繰り返し、どんなチームになりたいかを考えていきます。自然の中でリラックスすることで子どもや自分への制限や他人との比較、外からの評価などが薄れていきます。自然とのつながりの大切さを「森のようちえん」で親子で共に育ちあう体験を通して実感していく。加えて何より大人がやってみたいことに挑戦し、「気持ちよく失敗する」こと。そんな姿を見せ続けることが子どもたちの主体性を自然と育み、「自分事人間」に向かわせています。

女性は結婚や妊娠・出産、子どもの成長に応じたライフスタイルの変化を余儀なくされることがあります。それらを「ブランク」にせず、経験値として価値を見出していくことが大事だと思います。「お母さんだからといってなにもあきらめなくてもいい」世界を広げていくことによって母親の自己肯定感が高まることが子どもたちの自己肯定感につながり、子どもが未来に対して希望を持ちながら大人になることができると思います。子どもにとって一番影響を与える母親をエンパワーメントし、環境(存在)を整えることではじめて子どもを取り巻く社会問題に立ち向かえて、仲間が仲間を生むよい循環が起こっています。

そんな「森のようちえんウィズ・ナチュラ」の活動の中から育んだ私の著書『常識を変える!親子で伸ばす自然な子育て~良いお母さんより幸せなお母さんになろう~』はキャリア教育業界でも話題となり、ただの子育て本ではなくあらゆるジャンルで人づくりを実践されている方に向けおすすめできると思っています。https://amzn.to/3xJxYyS

私たちは2年前に天理市高原地域の過疎地にようちえんを移転し、38人の移住を導き持続可能なコミュニティを生んで、天理市と「自然環境を活かした教育・子育てに関する連携協定」を締結しました。自治体との連携協定は森のようちえんとして全国初です。また私自身、関西の9団体と協働し2021年の「第16回森のようちえん全国交流フォーラムin奈良」の実行委員長として、これまで横のつながりがなく連携のなかった関西の森のようちえん同志の交流やきずなを深めることができました。

みなさんにわかりやすい園の実践例としては、年長児は月に一度の「おむすびの会」で一人一つずつの土鍋でお米を炊きます。お米一つひとつに神様が宿っていることを感じながら食べてもらう年中・年少児の仲間たち一人ひとりを想いながらおむすびを結ぶ。年下の子どもたちは年長児に憧れを持ちながら見守り、毎年その思いが継承されていく。お味噌汁も鰹節を削るところからはじまり出汁を取り、畑で収穫した野菜を調理してお味噌汁をつくる。その間、年下の子たちもお手伝いしています。3歳からマッチで火おこしを経験することで火を育てかまどでご飯を炊くこともできるようになるのです。卒園する頃にはみな野外でご飯とお味噌汁をつくれるようになり、自信をもって家庭でもお手伝いするようになっていきます。

また、ある日捨てられたタイヤを見た子どもたちが「お母さんたち人間はこんなことをしない!きっと動物たちのしわざだ!!」と騒ぎになったことがあります。混乱するみんなにある子が「いや、動物にこんなことができるとは思えない。図書館で調べよう!」と提案。それぞれが図書館に乗り込んで「不法投棄」という真実を解明。その後、「また起こらないためにはどうしたらいいか?」とまで話し合っていました。このように「森のようちえんウィズ・ナチュラ」の子どもたちは「自分で考え、自分で行動する」「自分に正直に生きる」「自分の気持ちを流さない」「自由は責任を伴う」「正しいことより自分も仲間も心地よい」ことを日々積み重ねています。

同じJOLAの受賞者で「水辺で亡くなる子どもを出さない」との思いで「子どもたちにライフジャケットを」の活動をされている森重さんと京都の宇多野ユースホステルの「焚火庵」でJOLA主催でのトークセッションをさせていただきました。業界は違いますが「子どもたちを思う気持ちはみな同じで、人と人との関係性の中でしか本当の豊かさを感じることはできない」と改めてとても感じ入る体験となりました。今後の受賞者の方々とも協力してお母さんと子どもが微笑み合える世界をつくっていきたいと思います。

取材・文/大久保 徹

-profile-

岡本 麻友子 Mayuko Okamoto

森のようちえんウィズ・ナチュラ 代表

合同会社SOULS CEO

奈良県生まれ。私立保育園で5年務めた後、美容や癒しの業界で、あらゆる女性の悩みに寄り沿う仕事に就く。2010年「森のようちえんウィズ・ナチュラ」開園を機に、未就園児親子向けの子育て支援事業やコミュニティデリカフェやマルシェを運営しながら、地域と繋がり孤育てをなくすコミュニティを目指している。NPO法人森のようちえん全国ネットワーク連盟理事。1児の母。

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