運営委員長 山田俊行(トヨタ白川郷自然学校長)の開会挨拶から、シンポジウムが始まりました。アワード開催にあたりご協力いただいた各団体やスポンサーの皆様へのお礼とともに、アウトドアで「未来のための人づくり」に大切なのは「ひと」であるという信念のもと、指導者に光を当てるというアワードの趣旨が説明されました。
来賓を代表して、株式会社ベネッセコーポレーション 竹岡彰様よりご挨拶いただきました。
「ベネッセは教育の会社として、2020年の教育改革に関わっています。これからは、主体的に学び、生きる力を育むことが重要になります。JOLAの話を伺った際に、その理念に重なる部分が多く、その活動を末永く支援していきたいと思います。未来を支える子どもたちに様々なチャンスを提供し、ともに楽しい社会を作っていきたいと思います。」
特別講演として、NPO法人地球元気村 村長 風間深志様よりご講演いただきました。
「さまざまな自然に出会う手段としてバイクを選び、北極点や南極点、エベレストなどの局地を目指し、 ダカールラリーに参戦した経験を通し、極限の自然と対峙し、季節や時間のめぐりの中で、自分が地球の上で生きているという実感を感じることができました。NPO法人の活動を通して、人のライフスタイルに影響を与えられるようなワードを探したいと思いながら活動してきました。しかし、今回の受賞者の方々を見ると、それぞれの角度からそれぞれの気持ちを言葉にして表現していくことが大事だと思えるようになりました。こういった盛大な場所でアウトドアのリーダーが表彰されるのは、長い間アウトドアスポーツをやってきた人間から見ると非常に光栄なことです。これからの皆さんの活躍を心よりお祈りします。」
子どもたちが出会う事実の1つひとつが、やがて知識や知恵を生み出す種子だとしたら、様々な情緒や豊かな感受性は、この種子を育む肥沃な土壌であり、幼い子ども時代は、この土壌を耕す時だとレイチェル・カーソンは語っています。まさに耕す人がリーダーの皆さんです。これからの時代、命の言葉で語れる人が少しでも増えていくことが必要となります。
11歳の頃に父親とキリマンジャロに登頂したことが一番の思い出になっています。高山病に苦しみ、寒さに凍えながら上がった山頂で見た、太陽が昇る直前に、雲海の下のサバンナを含め、全体が紫に染まっていく様子は、私にとっての原点の一つになっています。極限の状況の中、五感で感じたすべてが私の原体験です。原体験を持っていることが、その先を目指すことにつながると信じています。
左から
はじめに今回のファイナリスト全員が優秀賞を受賞することが発表されました。
続いて特別賞は、浅井智子氏、大津愛梨氏の2名が受賞しました。
そして、大賞は小倉宏樹氏が受賞しました。前年度大賞受賞者の白川勝信氏より表彰状、副賞30万円と各社からの賞品が授与されました。
名前を呼ばれて最初に浮かんだのは、感謝の気持ちでした。この賞は私個人にいただいたのではなく、一緒に仕事をしてきた仲間や、子どもたち、応援してくださっている地域の方々皆さんを含めたよみたん自然学校の活動が表彰されたものだと思っています。
高校の時に環境問題に興味を持ち、問題を解決するためには意識を変えることが大事だと感じました。大学で野外教育に出会い、道を志して長い年月がたちました。今、世の中を見渡すと様々な課題が山積していることを改めて感じます。これらの問題を解決するためには役割分担が大事です。問題に正面から向き合う人も必要、人を育てる教育の役割を私は担っていきます。問題解決を役割分担していくためにはまず、ミッションが共有されることが大事だと思っています。自然学校に遊びにきた友だちから言われたことで、嬉しかったことがあります。「ここにくると、コツコツという音がする」コツコツ積み上げていくこと、これからも続けていきたいと思います。
私たちの役割は「光を当てること」、その輝きを研ぎ澄ましていくのは受賞者の皆さんの役割、その光を反射させてますます輝かせていくのがここにいる皆さんの役割です。山の先輩に言われた言葉に、「物を持つな、重たくなる。知恵を持て」という言葉があります。知恵と言葉をかわしあってより多くの知恵を持ち帰ってもらいたいと思います。
現場を見て審査をしたいというのが正直なところですが、文章を見ながら活動を想像しながら審査しました。今後はどう活動を継続させていくかということも大切になってきます。後継者を育てるという視点、そして経済的な持続性をどう考えるか、それがみなさんの次なるミッションだと思います。ますますの活躍を期待します。
多くの方々にご出席いただき、レセプションパーティーが行われました。ミウラドルフィンズの三浦恵美里様に「世界で一番素敵なアワード」とのコメントと共に、オープニングスピーチをいただき、乾杯のご発声をご協賛くださった株式会社モンベルの金森智様に行っていただきました。JOLA2017のファイナリストの永菅さん、藤原さん、白川さんからもコメントをいただきました。さらにJOLA2018ファイナリストの小林さん、中田さん、堀さん、三森さん、吉元さん、浅井さん、小倉さんからご挨拶をいただきました。最後に日本ゴア社の加藤さんから中締めのご挨拶をしていただき終了となりました。ファイナリスト、関係者が集い、有意義な交流ができました。