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知識をフル動員して学びあう時間:昆虫博士キャンプ

知識をフル動員して学びあう時間:昆虫博士キャンプ

幼虫の里帰り

夏になると毎年昆虫博士キャンプという事業を実施しています。キャンプと言っていますが2泊3日昆虫や生き物にかかわる活動以外はありません。たくさんの生き物好きな子どもがやってきます。

9月中旬、夏に昆虫キャンプにやってきた小学生の保護者からご連絡をいただきました。「カブトムシの卵が孵化して幼虫が飼いきれないほどになってしまいました。本人は捕まえたところに帰したい(放したい)と言っていますが…。」

約束の日、電車に乗って母子で山梨県にある日野春校まで来ていただき、森の中の落ち葉プールに幼虫を放しました。一匹一匹丁寧にくぼみを作って、上に軽く土をかけて…。四〇匹はいたでしょうか、お母さんと一緒に見守りながらその時を過ごしました。※自宅にはまだ二十匹程度幼虫がいるそうです。

申込書には「興味はあるが飼ったり昆虫を触ったりするのは怖い」「楽しめるのか不安」といったお母さんからのコメントが書いてありましたが、この日の姿は立派に昆虫少年です。なにより子どもの思いに応え、電車に乗って都内から山梨の北杜市まで来てくれたお母さんの思いが素晴らしいと思います。

 

昆虫キャンプの場で起きること

キャンプ中は子どもと意見交換をすることや、子ども同士での議論を見守ることも多くなります。

「名前を知ること」「飼育法」から始まり「本来そこに居なかった生き物を放すことの是非」「日野春からその虫がいなくなったら?」などテーマも色々で議論が白熱していきます。時には帰る直前で「今は2年生だから残念だけど飼えない、来年また来ます。」なんていう子どもいます。

昆虫採集しかしないキャンプなので「採集、飼育」などの行為そのものに目が行きがちですが、その裏では子ども同士が持てる知識をフルに使って意見を交わしながら学びあう時間があります。

時に自慢合戦にもなりますが、熱のある時間です。こういう時間を創ることが、「自然の中での人づくり」につながると信じて続けています。体力的にはきついキャンプですけれど…。

 

-writer紹介-

佐藤繁一 ShigekazuSato

JOLA運営委員/NPO法人国際自然大学校事務局長

1970年生まれ。自然環境保全系人材養成をする専門学校に10年勤務したあと国際自然大学校へ。冒険キャンプを専門としながら、昆虫や野生生物をテーマにした環境教育領域扱うキャンプやファミリー向けのアウトドアクッキングなどのプロデュースも手掛ける。

道具作り、機械いじりが趣味。リサイクルショップとホームセンターに出没。

NPO法人国際自然大学校  http://www.nots.gr.jp/